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第12回日本文化フェスティバル

イベントの詳細

  • イベント開催日時: - -
  • アドレス: ジェシュフ, プシェミシル, ワンツト

第12回日本文化フェスティバルはジェシュフ市内の家具サロン「クレール」で午後6時から。豪華な家具がゆったりと配置されたサロンで、お客は思い思いのソファに腰掛けて催しを観賞。

第12回日本文化フェスティバルはジェシュフ市内の家具サロン「クレール」で午後6時から。豪華な家具がゆったりと配置されたサロンで、お客は思い思いのソファに腰掛けて催しを観賞。

ジェシュフ

小川敦子が先ず、日本でもよく知られたポーランド民謡「森へ行きましょう」と日本の歌「荒城の月」を無伴奏で独唱。

ついで田中英美のアシスタントを務める竹内英哉と竹内朋哉が「ソーラン節」を若々しく、しかも野性味たっぷりに踊り、その調子の良いテンポと日本民族舞踏ならではの独特の動きで観客達を魅了。京都在住の才能あるファッションデザイナー・田中英美は先ず、ポーランドのモデルを使って伝統着物の着付けを披露。日本風に結い上げた髪に、華奢な体つきで日本の着物も良く似合っていた。

メインはジェシュフのモデルアカデミーのモデル達による田中英美コレクションのファッションショー。モデル指導と振り付けを担当した同アカデミーのバルバラ・グロマツカの厳しい指導の下、よく訓練されたモデル達が美しく

日本伝統着物地のドレスを着こなして見せ、観客のため息を誘う。メークや髪型もよく研究され、一見大正ロマン風な日本の髪型を表現。

プシェミシル


「眠りから覚めた全ての女性たちが活動を始める」の趣旨の下、プシェミシル国立東ヨーロッパ学院大学会場での第12回日本文化フェスティバルは午後1時に始まった。京都在住の優れたファッションデザイナーである田中英美の友禅着物生地で制作されたドレスコレクションをポーランドの美しく若い女性たちが着こなすというコラボがメインテーマ。特筆されるのはやはりその素材の素晴らしさ。その質の高さは当然価格に反映されるが、素材のよさが充分に生かされたデザインを着こなすモデル達を先ずは「目の保養」として観賞。

田中英美のアシスタントを務める若い二人の男性、竹内英哉と竹内朋哉は

日本の民族舞踏「ソーラン節」を披露。そのオリジナリティ溢れる力強い動きは会場の特に女性達をとりこにした。次いで伝統着物の着付け。日本の民族衣装である着物は幾種もの着物アクセサリーの複雑な組み合わせで着る必要があり、介助が必要となる難しい着付けもあり、着付けには総じて時間を要することなども紹介された。また、今日では着物は一般の日本人にとっては日常着でなく、特別なハレの日に着るものとなっていることも知りえた。

ドミニカ・カシューバ(Dominika Kaszuba)は「女」という字を取り上げ、字体の象徴する意味を説明し、書道の基本は単純なまっすぐの線にあること、しかしひとつの線を書くのに七種類の動作が必要であることを強調。

日本文化センター所長であるイガ・ジョホフスカ(Iga Dżochowska)は

「日本の何が私達を魅了するのか」というテーマで講演。自らの日本滞在経験から、ポーランド人にとっては魔法にかけられたような不思議な出来事や一見信じ難いような人々の行動などを紹介。小川敦子は無伴奏で日本の歌を披露した後、ショパンの作品などを演奏し、会場をいっときロマンティックな雰囲気に導いた。日本からのお客様達にはプシェミシルのダンス学校(ゴールデン・ダンス)で学び、2年以上ダンスパートナーとしてコンビを組んでいるカロリーナ・ヤロフとアラン・バナフによる社交ダンス - ルンバと英国風ワルツの特別プレゼントが用意されていた。

第12回日本文化フェスティバルのプログラムは女性にも男性にも多彩な魅力に富んだもので、プシェミシル東ヨーロッパ学院大学講堂の学生や大学指導者、職員らで満ちた会場は終始熱気に包まれていた。



今回は先ず、小川敦子が日本の歌「荒城の月」を独唱し、ショパンその他のピアノ作品も演奏。イガ・ジョホフスカ -プシェミシル日本文化センター所長は「日本女性の社会における地位」のテーマで講演、女性の地位は総じてまだ低く抑えられている一方、実生活面においてけっこう男性をリードしていること、男性は仕事に時間とエネルギーを費やし、家庭は女性に任せる傾向が依然として強いことなど、ポーランド女性にとってはショックな事実を紹介。

また、日本には「女性の日」は設けられていないことから、ここで女性の日をともに楽しみましょう。との提案。

理想的な女性と書道という観点から、ドミニカ・カシューバは書道でも

“しなやかでデリケートなライン”で書かれた字がよいとされる、との談。

竹内英哉と竹内朋哉はポーランド女性に日本のエネルギッシュで新鮮な

民族舞踏をプレゼント。田中英美のファッションショーは会場の女性たちの

目を大いに楽しませる。一枚ずつ手書きで柄が描かれ、さらに刺繍が施され、2枚と同じものがないという日本伝統着物。それぞれのドレスの独特の東洋的な色合いと生地の裁ち方は洋服に慣れたポーランド人達に新鮮な刺激と強烈な印象。モデル指導と振り付けは先の東ヨーロッパ学院大学でと同様、ピョートル・フゲットが担当。

プシェミシルのダンス学校のカロリーナ・ヤロフトアラン・バナフのコンビのルンバは会場の観衆を楽しませた。小川敦子が最後に茶道お手前を披露。その稀なる複雑な文化はこまかい作法の連続で、大変に集中された精神と時間がそこにあった。茶道手前披露には様々な様式や型があり、本来の茶道セレモニーは長時間かけられる場合も多く、それらの修得にはかなりの時間を要することも紹介された。

我がポーランドの文化と“桜咲く国”日本の文化には相当の隔たりがある、であるからこそさらに興味をそそられ、好奇心をかきたてられ、観衆の耳目を集めるのだ、とあらためて実感。会場の多くの人達も同様の思いであったことであろう。



(Emilia Wojcieszek - PR)

ワンツト

第12回日本文化フェスティバルは3月9日(土)にもお祭り“クリスティン”の枠内でワインツト市・市民センターで開催された。「クリスティナを

遣わす所にはワインツトの悪魔はいない」とのお祭りのタイトル(伝説の

クリスティナのお話しより)このお祭りに招待され、日本文化紹介の特別プログラムを用意。ファッションデザイナー・田中英美のコレクションによる

ファッションショーはジェシュフ市からジェシュフ・モデルアカデミー所属のモデルとプシェミシル市国立東ヨーロッパ学院大学学生モデルが出演。

モデルの指導と振り付けはジェシュフ・モデルアカデミーのバルバラ・グロ

マツカが担当。その他竹内英哉と竹内朋哉によるソーラン節の踊り、小川敦子による「荒城の月」独唱とショパンその他の作品のピアノ演奏、ドミニカ・カシューバの書道についてのミニ講座を披露。

この日の招待客として、ポーランド選出のEUヨーロッパ会議議員のエルジビエタ・ウカチイエフスカ、ポドゥカルパツキ県副知事のアンナ・コヴァルスカ、当市市長のスタニスワフ・グヴィズダックやワインツト城博物館館長の

カロル・ヴォイトヴィチらの姿があった。
(Emilia Wojcieszek - PR)

fot: Zdzisław Czernecki